
1. はじめに|なぜPSEマークが必要なのか
LEDサイネージ事業を展開する上で、製品の安全性と法令遵守は絶対条件です。
特に、日本市場では**電気用品安全法(PSE法)**によって、対象となる電気製品にPSEマークの表示が義務付けられています。
LED VISION LABでは、国内外の複数メーカーと提携し、数十件以上のPSE取得プロジェクトを経験してきました。その中でわかったのは、「PSEは単なる法的義務ではなく、信頼性を高めるブランド戦略」だということです。
本記事では、PSE取得にかかる費用と期間を中心に、実務上の流れや注意点を6000文字規模で詳細に解説します。
2. PSEマークとは?基礎知識
PSEマーク(Product Safety Electrical Appliance & Material)は、電気用品安全法に基づく表示マークです。
製品が日本の安全基準に適合していることを示し、経済産業省によって規定されています。
対象製品
PSEの対象は大きく2つに分類されます。
- 特定電気用品(菱形マーク)
変圧器、配線器具、電線など、事故リスクの高い製品。登録検査機関での試験が必須。 - その他の電気用品(丸形マーク)
ACアダプター、LEDドライバー、充電器など。自主検査でも可だが、技術基準適合確認が必要。
LEDサイネージでは主に電源ユニットやアダプターがPSE対象になります。
3. PSE取得の全体プロセス
LED VISION LABでの標準フローは以下の通りです。
- 仕様確認と部品特定
定格電圧・電流・消費電力・安全設計図面を確認し、PSE対象部品をリストアップ。 - 試験機関選定
国内外の認証機関から見積もりを取得。費用・期間・対応言語・認証の有効性を比較。 - サンプル提出
量産品と同一仕様で試験用サンプルを準備し送付。 - 試験実施
耐電圧、絶縁抵抗、温度上昇、漏電、構造検査を実施。 - 報告書発行・マーク表示
試験合格後に報告書を受領し、製品にPSEマークを表示。
4. 費用の目安
PSE取得費用は、試験場所(国内or海外)と製品の複雑さによって変動します。
国内試験機関の場合
- 費用:15〜30万円/1型式
- メリット:日本語対応、規格変更への即時対応
- デメリット:混雑期は着手まで時間がかかる
海外試験機関(主に中国)
- 費用:5〜15万円/1型式
- メリット:コスト削減、製造工場近隣で迅速対応
- デメリット:書類形式の修正や翻訳が必要な場合あり
💡 実務TIP
工場が既にPSE取得済みの場合は、その証明書を活用して再試験不要にできるケースがあります。
5. 期間の目安
パターン | 期間 |
---|---|
既存認証流用(仕様変更なし) | 1〜2週間 |
シンプルなACアダプター | 2〜3週間 |
新設計の電源ユニット | 1〜2か月 |
特定電気用品 | 2〜3か月 |
繁忙期(年度末や大型展示会前)は試験予約が1か月以上待ちになることもあるため、早めの着手が重要です。
6. 実務経験からの期間短縮テクニック
LED VISION LABでは、以下の工夫で期間短縮を実現しています。
- 設計段階からPSE適合部品を採用
- 工場と試験機関を事前にブリーフィング
- 必要書類(仕様書・回路図・部品リスト)を一括提出
- 並行してマニュアル・ラベルデザインも進行
7. コスト削減の具体策
- 複数型式のまとめ申請
同一シリーズ製品は一括で認証可能な場合あり。 - 海外試験+国内確認
試験自体は海外で行い、日本では形式確認のみ実施。 - 既存データ流用
製造元が持つIEC規格試験データを活用。
8. 注意点|取得後の維持管理
PSEマーク取得はゴールではなくスタートです。
LED VISION LABでは、以下の維持管理を実施しています。
- 製造ロット管理(3年以上の記録保存)
- 市場からのフィードバックによる改善
- 経産省の立入検査への備え
- 保守契約における安全点検
9. 実際の導入事例
事例1:大型屋外LEDビジョン
- 電源:PSE取得済み高出力ドライバー採用
- 設置後3年でトラブルゼロ
- 官公庁案件での信頼性向上
事例2:商業施設内サイネージ
- 海外試験でコストを40%削減
- 設置までの期間を1か月短縮
- テナントからの要望に即応できた
10. まとめ
- 費用目安:国内15〜30万円/海外5〜15万円
- 期間目安:最短1週間〜最長3か月
- 重要ポイント:早期着手・既存認証の活用・並行作業
LED VISION LABでは、PSE取得から施工・運用までワンストップでサポートし、事業者様の市場参入を加速させます。
どんなものを選べばいいのか迷ったら、こちらからお気軽にお問い合わせください。
現場経験豊富なLEDビジョンラボの編集部がお答えします!
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