屋外用と屋内用の違いは?導入検討者のためのLEDビジョン選び方ガイド(店舗・企業向け)

店舗や企業の看板、イベント演出、ショッピングモールのデジタルサイネージなど、
LEDビジョンを導入するシーンは年々増えています。
しかし、実際に導入を検討するときに多くの方が最初に悩むのが——

「屋外用と屋内用って、どう違うの?」
「どっちを選べばいいのか分からない…」

という点です。

見た目は似ていても、屋外用と屋内用のLEDビジョンはまったく別の設計思想で作られています。
それぞれの特性を理解せずに選ぶと、「思ったより映らない」「コストが高くついた」「許可が下りなかった」など、トラブルの原因にもなりかねません。

この記事では、店舗や企業オーナーなど、初めてLEDビジョンを導入する方に向けて、
両者の違いから選定のポイント、費用感、そして導入時の注意点までをわかりやすく解説します。


目次

1. 屋外用と屋内用の本質的な違い

まず押さえておきたいのは、「どこに設置するか」によって、必要な性能が根本的に変わるという点です。

屋外は、雨・風・日光・温度変化など、機器にとって非常に過酷な環境。
一方で屋内は安定した環境の中で、近距離から高精細な映像を見せることが求められます。

簡単にまとめると、次のようになります。

項目屋外用屋内用
輝度非常に高い(5,000〜10,000cd/㎡)室内に合わせた中〜低輝度(800〜2,000cd/㎡)
防水・防塵必須(IP65相当以上)基本的に不要
解像度粗め(遠くからでも見やすく)細かめ(近距離でも美しく)
放熱設計強化(温度・湿度対策)通常レベルで問題なし
設置・工事基礎補強・許認可が必要な場合あり室内施工で比較的容易
コスト高め比較的安価

2. 見え方が変わる「ピクセルピッチ」とは?

LEDビジョン選びで欠かせないのが「ピクセルピッチ(P値)」という指標です。
これは、LEDの1ドットと隣のドットの間隔をミリ単位で表したもので、
数字が小さいほど高精細、つまりきめ細かく美しい映像になります。

目安としては以下の通りです。

  • 屋外:P8〜P16(遠距離からでも視認しやすい)
  • 屋内:P2〜P4(近くで見てもドットが気にならない)

例えば、歩行者が数メートルの距離から見る店頭サイネージにP10を選んでしまうと、
粗く見えて「思っていたより画質が悪い」と感じることがあります。
逆に、道路沿いでドライバーに見せる大型ビジョンでP2を使うのは、
コスト的にもオーバースペックです。


3. 屋外用と屋内用、それぞれに向いているシーン

屋外用が適している場所

  • 商業施設やビルの外壁
  • 屋外イベント・フェス
  • 駅前・道路沿いの広告ビジョン

遠距離でも視認できるように高輝度仕様で作られており、
直射日光下でも映像がはっきり見えるのが特徴です。
その分、発熱や防水対策が必要で、設置工事費用も高くなります。

屋内用が適している場所

  • 店舗内の演出ディスプレイ
  • 展示会・ショールーム
  • ショッピングモール・駅構内

室内は照明環境が安定しており、近距離で見ることが多いため、
「解像度の高さ」が重視されます。最近ではP1.5〜P2.5といった超高精細モデルも人気です。


4. 導入前に確認すべき8つのチェックポイント

  1. 設置場所の環境(雨風・温度・直射日光)
  2. 視認距離(どこから見るか)
  3. 目的(広告/案内/演出など)
  4. 電源容量・配線距離
  5. 通信環境(LAN・Wi-Fi・クラウド更新)
  6. 許認可(屋外広告物条例・景観規制)
  7. 耐久性・保守体制
  8. 運用方法(誰が更新を担当するか)

導入後に最も多いトラブルは「環境に合わなかった」「設置許可が下りなかった」というケース。
特に屋外の場合、自治体によって広告規制が異なるため、着工前の確認は必須です。


5. 用途別おすすめ仕様

店舗のファサード(歩行者向け)

  • 推奨ピッチ:P2〜P4
  • 輝度:中〜高(ガラス越しに日光が当たる場合は要注意)
  • 設置方法:壁掛け・スタンド式

商業施設の大型スクリーン

  • 推奨ピッチ:P3〜P6
  • 特徴:広範囲に見せたい/演出と情報発信を両立
  • 補足:CMS連携で遠隔更新できると運用がラク

ビル壁面・屋外広告

  • 推奨ピッチ:P8〜P16
  • 輝度:5,000cd/㎡以上
  • 注意点:風荷重と構造計算が必要、夜間輝度規制も確認

6. 費用感の目安

LEDビジョンは面積単価で見積もられることが多く、
一般的な相場は以下のようになります。

種類ピッチ想定価格(1㎡あたり)
屋内用(高精細)P2〜P4約20〜40万円前後
屋外用(中型)P6〜P10約30〜70万円前後
屋外大型P10〜P16100万円以上も可

※工事費・電気工事・許認可・保守費を含めると、
トータルでは設置面積 × 1.5倍程度が初期費用の目安です。


7. よくある失敗と対策

  • 明るさ不足で映像が見えない
     → 実際の設置環境(日照や角度)を現地で確認する。
  • 配線容量が足りず電源落ちする
     → 電気容量・ブレーカー容量を必ず確認。
  • 許可申請が通らない
     → 設置前に自治体に相談。特に屋外広告は条例対象。
  • 更新作業が面倒で放置
     → クラウド更新型を選び、社内担当を明確に。

8. 導入までの流れ

  1. 現地調査(環境・視認距離・電気容量)
  2. 目的整理(広告・演出・情報発信など)
  3. 複数社に見積依頼(仕様・工事範囲を明示)
  4. 許可申請・契約
  5. 設置工事・調整
  6. 試運転・納品検査
  7. 運用開始・保守契約

LEDビジョンは「設置して終わり」ではなく、
運用して価値を出すメディアです。
コンテンツ更新や定期点検を仕組み化しておくことが成功の鍵になります。


9. まとめ:失敗しない選び方の3つのコツ

  1. 現地の環境を最優先で考える
     → 屋内/屋外/半屋外(庇下)で求められる仕様は全く違う。
  2. 用途を明確にする
     → 広告?案内?演出?目的に合った解像度・輝度を選ぶ。
  3. 初期費用+運用コストで比較する
     → 機材費よりも、電気代・保守・更新頻度が長期的な差になる。

10. これから導入を検討する方へ

LEDビジョンは、情報発信やブランド演出の強力なツールです。
ただし「とりあえず明るいものを」と選んでしまうと、
コストもリスクも膨らみます。

まずは現場の写真と環境条件をまとめて
専門業者に「屋外向きか屋内向きか」「どのピッチが適正か」を相談しましょう。
最適な設計と運用体制を整えれば、
LEDビジョンは長期的な広告資産になります。

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この記事が、LEDビジョン導入の参考になれば幸いです。
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