LEDサイネージとは?
LEDサイネージとは、LED(発光ダイオード)を光源として使用するデジタルディスプレイのことです。従来のポスターや看板に代わり、動画や静止画、テキストなどを自在に表示できるため、広告・案内・演出などさまざまなシーンで活用されています。
特に近年は、視認性の高さや耐候性、省エネ性能の向上により、屋外だけでなく屋内でも需要が拡大中です。
しかし、LEDサイネージと一口に言っても、種類や仕様は多岐にわたり、選定を誤ると十分な効果が得られないこともあります。本記事では、主な種類と特徴、そして失敗しない選び方のポイントを詳しく解説します。
主なLEDサイネージの種類
1. 屋外用LEDサイネージ(Outdoor LED)
特徴
- 高輝度(4000〜8000cd/m²)で直射日光下でも見やすい
- 防塵・防水仕様(IP65以上が一般的)
- 大型サイズが可能
- 遠距離からの視認性に優れる
用途例
- 駅前ビジョン・屋外広告塔・ビル壁面・大型スタジアム・イベント会場など
注意点
- 設置に建築確認申請や屋外広告物許可が必要な場合あり
- 高所作業や大型の電源が必要なケースもある
2. 屋内用LEDサイネージ(Indoor LED)
特徴
- 高精細で近距離からでも美しい表示が可能(ピッチ1.2〜2.5mmが主流)
- 比較的軽量で設置自由度が高い
- 明るさは1000〜2000cd/m²程度で目に優しい
用途例
- 商業施設・空港・展示会ブース・ショールーム・企業受付・会議室など
注意点
- 屋外用に比べて防水性がないため設置場所に制限あり
3. 透過型LEDサイネージ(Transparent LED)
特徴
- ガラス面に設置できる透過率の高いディスプレイ(透過率60~90%)
- 背景を隠さずに情報表示が可能
- ファサードやショーウィンドウで使われることが多い
用途例
- アパレル店舗のガラス面・ビルのファサード・空間演出
注意点
- 画質は通常のLEDよりやや粗め(視認距離に注意)
- 外光とのバランスが重要
4. キューブ型・球体型などの特殊形状LED
特徴
- 正面・側面・天面など複数方向から表示が可能
- サイバー感や近未来感のある演出が可能
- インスタレーションとしての価値も高い
用途例
- 商業施設・イベント・ホテルロビー・美術館
注意点
- コンテンツ制作や取り付けに技術が必要
- 一般的な平面モニターより価格は高め
LEDサイネージの選び方
1. 設置場所と視認距離を明確にする
LEDの選定において最も重要なのが「どこで、どんな距離から見られるのか」です。
視認距離の目安とピッチサイズ:
視認距離 | 推奨ピッチ | 用途例 |
---|---|---|
2〜5m | 1.2〜2.5mm | 店舗・屋内展示 |
5〜10m | 2.5〜4.0mm | ショッピングモール・交通機関 |
10m以上 | 4.0mm〜 | 屋外広告・スタジアム |
ピッチ(LEDとLEDの間隔)が小さいほど画質は高くなりますが、価格も上がります。目的と予算に応じたバランスが大切です。
2. コンテンツの内容・演出効果を考慮する
表示するコンテンツによっても最適なLEDサイネージは異なります。
- 動画中心のコンテンツ:リフレッシュレートが高い(1920Hz以上)ものを選ぶと滑らか
- 静止画中心:ピッチ重視でOK
- 情報量が多いテキスト表示:高精細なピッチ1.5mm以下が見やすい
- インタラクティブ演出:特殊形状やタッチ対応があると効果的
3. 設置工事・運用コストもチェック
- 電源・ネット回線の確保
- 筐体の重量や支柱の設計(特に屋外)
- メンテナンス性(前面・背面開閉のしやすさ)
- 消費電力(長期運用におけるランニングコスト)
設置後のメンテナンスやトラブル対応も考慮して、実績豊富な施工業者と連携することが重要です。
よくある失敗と注意点
- 「とりあえず明るい=よい」と思い込む → 目が疲れたり、店内では眩しすぎることも
- 設置許可を取らずに施工 → 撤去命令や罰則の対象になることも
- 機器だけ購入して運用設計が不十分 → コンテンツが更新されず、逆にマイナスイメージに
導入成功のために大切なこと
LEDサイネージは「設置して終わり」ではありません。
魅せ方・演出・運用体制までトータルで考えることで、初めて価値が最大化します。
失敗を避けるためにも、「どんな目的で、誰に向けて、何を伝えたいのか?」というゴール設定を明確にし、設置業者や制作パートナーと丁寧に連携を取りましょう。
まとめ:自社に合ったLEDサイネージで差をつけよう
LEDサイネージにはさまざまな種類があり、それぞれに適した用途と設置条件があります。最適な選定を行うには、
- 設置場所と視認距離の確認
- 表示するコンテンツの性質
- 運用体制とコストの試算
これらを総合的に考慮する必要があります。
単なるディスプレイではなく、「ブランドの顔」となるLEDサイネージ。しっかりと設計・選定し、自社の魅力を最大限に引き出しましょう。
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