街中のビル壁面や店舗のサイネージ、イベント会場などで見かけるLEDビジョン。映像や文字を鮮明に表示できるため、情報発信や集客効果が期待できるとして注目されています。
しかし、実際に導入してみたら「思ったような効果が出ない」「想定外のトラブルが起きた」という声も少なくありません。
この記事では、LEDビジョンを購入・設置する際にありがちな失敗事例を取り上げ、それぞれの原因と対処法をわかりやすくまとめました。

1. 解像度や視認距離の見誤り
失敗例:
店舗の入口に設置したが、近くから見ると映像が粗く感じられ、伝えたい情報がうまく伝わらなかった。
原因:
LEDビジョンの画質は、ピクセルピッチ(LED素子間の距離)によって決まります。近距離で見る用途なのに、ピッチが大きいモデルを選んでしまったケースです。
対処法:
視聴距離が短い場合は、細かいピッチ(例:1.5mmや2.0mm)の製品を選ぶのが基本です。
逆に、道路沿いの看板など、離れて見る前提であれば3.9mmや6mmピッチでも問題ありません。
2. 設置環境への配慮不足
失敗例:
屋外に設置したLEDビジョンが数ヶ月で劣化し、画面の一部が点灯しなくなった。
原因:
屋外用の仕様(防水・防塵)でない製品を使ってしまったか、防水規格はクリアしていても排熱対策が不十分だった可能性があります。
対処法:
- 屋外用は必ず「IP65」以上の防水性能があるものを。
- 夏場の直射日光や高温に耐えられるか、放熱構造も確認が必要です。
- 設置場所の天候や温度条件を想定して、機種を選びましょう。
3. 許可申請を怠ってしまう
失敗例:
設置後に役所から「屋外広告物条例に違反している」と指摘され、やむなく撤去。
原因:
LEDビジョンは、設置場所によっては屋外広告物として条例の規制を受けます。事前に行政への申請や確認を怠ると、違反扱いになることがあります。
対処法:
- 地元自治体に設置前の確認を行いましょう。
- 業者が申請代行を行っているかどうかもチェック。
- 繁華街や景観保護地域などは特に要注意です。
4. コンテンツ準備が間に合わない
失敗例:
ビジョンは完成したのに、流す映像が用意できておらず、黒い画面のまま何日も放置された。
原因:
本体の設置にばかり気を取られ、コンテンツの制作や表示比率の確認が後回しになった。
対処法:
- 設置と同時に表示コンテンツのスケジュールを組みましょう。
- サイズや解像度、比率に合った動画や静止画を準備する必要があります。
- 自社で制作が難しい場合は、コンテンツ制作も請け負える業者に相談すると安心です。
5. 電源容量の見積もりミス
失敗例:
LEDビジョンを稼働させたとたん、ブレーカーが落ちた。別回路の工事が必要になり、追加コストが発生。
原因:
設置前に消費電力の確認をしていなかった、あるいは既存の電気設備では対応できなかった。
対処法:
- 製品ごとの最大消費電力を事前に確認。
- 電気工事業者と連携し、専用回路を設けることも検討する。
- 特に高輝度・大型ビジョンでは電力消費が大きくなるため注意。
6. メンテナンス体制を軽視
失敗例:
海外製の安価なモデルを導入したが、不具合時に部品が手に入らず、長期間放置する羽目に。
原因:
初期費用の安さだけで選んだ結果、保守や修理体制が整っておらず、トラブル対応が難航。
対処法:
- メンテナンス契約の有無を事前に確認。
- 国内サポート拠点がある業者、または日本製品を選ぶのが安心。
- 消耗部品や予備ユニットを確保しておくと、トラブル時の対応がスムーズです。
まとめ|LEDビジョン導入は“トータルで考える”ことが重要
LEDビジョンは見た目のインパクトが強く、集客効果も高いですが、導入時の計画や事前準備が不十分だと、予想外のトラブルや無駄な出費につながる可能性があります。
重要なのは、単に“映る画面”を買うのではなく、設置環境・法規制・コンテンツ運用・保守まで含めたトータルの計画を立てること。
最終的な効果を最大化するためにも、信頼できる専門業者に相談しながら進めていくのがおすすめです。
お問い合わせはこちらから。
コメント