日本で電気製品を販売するためには「PSE認証」を取得し、製品にPSEマークを表示することが義務付けられています。しかし、単にマークを付ければよいわけではなく、法律で定められた方法で正しく表示することが重要です。
もし誤った表示をした場合、販売停止やリコールの対象となる可能性があり、事業者にとって大きなリスクとなります。本記事では、PSEマークの正しい表示方法とラベル作成時にチェックすべきポイントをまとめました。製品企画や輸入販売を行う方はぜひ参考にしてください。

1. PSEマーク表示の基本ルール
PSEマークは必ず見やすい位置に表示
PSEマークは消費者が容易に確認できる位置に付けなければなりません。
- 製品本体への印字
- 金属や樹脂製のプレートに刻印・印刷
- シールラベルによる貼付
いずれも耐久性があり、通常の使用で消えたり剥がれたりしないことが条件です。
表示が必要な情報
PSEマーク単体では不十分で、以下のような付加情報も一緒に表示する必要があります。
- PSEマーク(ひし形または丸形)
- 事業者名(製造事業者または輸入事業者)
- 定格電圧・定格周波数・定格消費電力
- 型式やモデル番号
これらの情報は、消費者が安全に使用するため、また事故が発生した際に追跡できるようにするために不可欠です。
2. ラベル作成のチェックリスト
PSEマークを正しく表示するためのチェックリストを以下にまとめました。
✅ マークの形状を守っているか
- 特定電気用品 → ひし形マーク
- 非特定電気用品 → 丸形マーク
✅ サイズは適切か
- 消費者が容易に判別できる大きさであること
- 文字や線が潰れない解像度であること
✅ 表示位置は見やすいか
- 底面や背面など、通常の利用で確認できる位置
- 部品交換や使用中に隠れないよう配慮
✅ 事業者名を明記しているか
- 会社名またはブランド名を正式に記載
- 海外メーカーの場合は輸入事業者の名称も必須
✅ 電気仕様が明確か
- 定格電圧(例:AC100V)
- 定格周波数(例:50/60Hz)
- 消費電力や容量(例:500W、2Aなど)
✅ 耐久性のある方法で表示しているか
- 印字、刻印、レーザー加工
- 高品質な耐水・耐摩耗ラベル
✅ 誤解を招く表記がないか
- マークの形状を改変していないか
- 未認証製品にマークを付与していないか
3. よくある表示ミス
実際の現場では、以下のような間違いがよく見られます。
- PSEマークだけを貼って事業者名を省略
- 輸入事業者の情報を表示していない
- シールが簡単に剥がれる材質を使用
- 極端に小さなマークで消費者が読めない
これらは法令違反に当たり、販売停止や行政指導の対象となります。特に輸入製品では、現地メーカーが貼った不完全なラベルをそのまま販売してしまうケースがあるため注意が必要です。
4. ラベルデザイン時の注意点
ラベルをデザインする際は、法令遵守だけでなく見やすさ・信頼性も考慮しましょう。
- 文字色と背景色にコントラストをつける
- 型番や仕様を整理し、読みやすいレイアウトにする
- ブランドロゴを入れる場合はマークの判読性を損なわないよう配置
法的要件を満たすだけでなく、消費者が安心して購入できるよう「信頼性の高いラベル」を意識することが重要です。
5. まとめ
PSEマークの表示は、単なる形式的な作業ではなく、製品の安全性を保証し、消費者の信頼を得るための大切なプロセスです。
- マークの形状と表示位置を守る
- 事業者名や電気仕様を明記する
- 耐久性のある方法で印字・貼付する
- 誤った表示や簡略化を避ける
これらを徹底することで、法令遵守とともにブランドの信頼性向上にもつながります。

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