日本で電気製品を販売するうえで欠かせないのが PSEマーク。
しかし、もし PSEマークがない製品を販売してしまった場合、どのようなリスクや罰則があるのでしょうか。
「知らなかった」では済まされないのが電気用品安全法(DENAN法)の世界です。本記事では、PSE違反の罰則内容、事業者が直面するリスク、そして回避のための対策について徹底解説します。これから電気製品を輸入・販売したい企業や個人事業主は必見です。

PSEマークと電気用品安全法の基本
まず前提として、PSEマークは Product Safety Electrical Appliance & Material の略で、日本の「電気用品安全法」に基づく規制マークです。
- 日本国内で販売される電気製品には必ず表示義務がある
- PSEマークがない製品は販売できない
- マークの形には「丸形(一般電気用品)」と「ひし形(特定電気用品)」がある
つまり、PSEマークがない製品を販売すること自体が法律違反となり、事業者は処罰の対象となります。
PSE違反の罰則内容
電気用品安全法に違反した場合、以下のような罰則が科せられる可能性があります。
1. 刑事罰
- 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
- 法人の場合は 1億円以下の罰金刑 が科されるケースもある
刑事罰に問われると企業活動への影響は甚大で、取引先や顧客からの信頼は大きく損なわれます。
2. 行政処分
- 販売停止命令
- 製品の回収命令
- 改善命令
特にリコール命令は費用負担が大きく、ブランドの信頼性も失われます。
3. 社会的制裁
- ネットやニュースで報道される
- 企業イメージの低下
- 顧客離れや株価下落(上場企業の場合)
法的処罰以上に、社会的な信用失墜が経営に大きな打撃を与える点も忘れてはいけません。
違反リスクが高いケース
1. 海外輸入製品の取り扱い
中国や海外通販サイトから仕入れた製品は PSE未対応 の場合が多く、そのまま販売すると即違反となります。
2. 中古製品・リユース品
中古市場でも「PSEマークの有無」は必須です。古い製品や輸入中古品でマークが消えていたり、元々表示がない場合は注意が必要です。
3. ネット販売
Amazonや楽天、メルカリなどのECサイトでは、監視体制が厳しくなっており、PSE違反商品はすぐに削除対象となります。アカウント停止や出品制限のリスクもあります。
4. 表示の偽装
シールだけを貼ってPSEマークを偽装する行為も法律違反です。虚偽表示はより重い罰則の対象となります。
事業者が直面するリスク
PSE違反によるリスクは、単に「罰金を払えば終わり」ではありません。
- 多額のリコール費用負担
- 行政指導・監視対象となる
- 取引先からの契約解除
- 消費者からの損害賠償請求
特にリコールは数百万〜数千万円規模になることがあり、中小企業や個人事業主にとって致命的な打撃となります。
違反を避けるためのチェックリスト
事業者が安全にビジネスを行うためには、以下のポイントを必ず確認しましょう。
- 対象製品の区分を確認
- 一般電気用品(丸形PSE)か特定電気用品(ひし形PSE)かを判別する
- 検査証明書の有無を確認
- 特に輸入品は必ず証明書類を取得する
- マークの表示方法を確認
- 本体に印字・刻印されているか(シールのみはNG)
- 信頼できる仕入先を選ぶ
- 海外の格安業者はリスクが高いため、実績のある供給元を選定する
- 専門家への相談
- 不明点があれば、登録検査機関や法律事務所に確認する
PSE違反が発覚したらどうする?
もし販売した製品にPSE違反があった場合、事業者が取るべき対応は以下の通りです。
- 速やかに販売停止
- 顧客への周知と自主回収の検討
- 経済産業省へ報告
- 原因の究明と再発防止策の策定
違反を隠すと後々さらに大きな問題に発展するため、誠実かつ迅速な対応が重要です。
まとめ
PSE違反は「知らなかった」では済まされません。
- 罰則:1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は最大1億円)
- 行政処分:販売停止・回収命令
- リスク:リコール費用、信用失墜、取引停止
輸入ビジネスやネット販売を行う際には、必ずPSEマークの有無を確認し、法律を遵守した運営を徹底しましょう。


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