札幌のLEDビジョン設置ガイド|屋外広告物条例・許可・施工ポイントを深掘り解説

◆ 札幌でLEDビジョンを設置する前に知っておくべきこと

札幌市内では商業施設、ロードサイド店舗、イベントホールなどでLEDビジョン(屋外デジタルサイネージ)の導入が加速しています。
しかし、屋外に映像を常時表示する設備は、街並みや安全に大きく影響を与えるため、 札幌市独自の屋外広告物条例 によって細かくルールが定められています。

本記事では、以下の点について初心者にもわかりやすく説明します。

  • 札幌市の屋外広告物条例の基本
  • LEDビジョンが「広告物」として扱われる条件
  • 許可申請の流れ・提出書類
  • 設置時の安全基準・明るさ・構造のルール
  • 設置後の管理と点検義務
  • 違反時の指導・撤去リスク
  • よくあるトラブルと対処例
  • 導入を成功させるポイント

今後LEDビジョンを活用した集客や情報発信を考えている事業者の方は、ぜひ一度全体像を把握しておきましょう。


◆ 1. LEDビジョンは「屋外広告物」として扱われるのか?

まず理解しておきたいのは、LEDビジョンが 札幌市の条例において『屋外広告物』に該当するかどうか という点です。

結論からいえば、以下の条件を満たす場合、ほぼ確実に屋外広告物として扱われます。

  • 屋外に設置されている
  • 不特定多数の人が視認できる
  • 継続して表示される
  • 映像・文字・写真など、情報を発信する

大型のLEDスクリーン、壁面設置サイネージ、スタンド式ビジョン、屋上ビジョン、歩道側に向けたモニターなどはほぼ該当します。
反対に、閉鎖空間や屋内であれば規制の対象外になる場合もあります。


◆ 2. 札幌市の屋外広告物条例の基礎知識

札幌市では「景観保全」「安全確保」「光害防止」を目的に、広告物のサイズ・設置場所・デザイン・照明などに細かな基準が設定されています。

主な規制項目は以下のとおりです。

■ 設置可能エリア(許可地域区分)

札幌市はエリアごとに

  • 設置が許可される地域
  • 条件付きで許可される地域
  • 原則禁止の地域
    に分けられています。

大通や札幌駅周辺は比較的設置しやすい一方、住宅密集地や景観地区では制限が強くなります。

■ 明るさ(輝度)の制限

夜間のまぶしさ、光害への配慮から
LEDビジョンの明るさには上限値 が設定されます。

さらに、

  • 自動調光機能の有無
  • 点滅・フラッシュ表現の可否
  • 色の使用バランス
    なども審査対象です。

■ 構造基準

LEDビジョンは重量があり、風圧も受けやすいため、以下が必須となります。

  • 建物の構造計算
  • 落下防止装置
  • 防水・防塵対策
  • 電気配線の安全性

安全基準に満たない場合は許可が下りません。

■ 景観配慮

  • 周囲から浮きすぎないデザイン
  • 過度に派手な点滅や色使いの禁止
  • 周辺建築物と調和しているか
    なども審査されます。

◆ 3. LEDビジョン設置の許可申請の流れ

ここでは、実際に札幌市でLEDビジョンを設置する際の一般的な流れを整理します。


目次

STEP1:設置場所のエリア区分を確認する

用途地域が最初の判断材料になります。
商業地域なら許可が下りやすいですが、第一種住居地域などは制限が厳しい傾向にあります。


STEP2:ビジョンの設計仕様をまとめる

審査に必要な情報例:

  • 外寸(幅・高さ・厚み)
  • 表示面積(平方メートル)
  • 設置高さ
  • 支持構造(壁面取付/自立/屋上など)
  • 電源容量
  • 明るさ・色温度・輝度制御方式
  • 表示内容の種類(動画/静止画/広告/案内表示)

これらを設計段階で固めておくと申請がスムーズです。


STEP3:屋外広告物許可申請を提出

提出先は札幌市の担当部署です。
申請には図面・仕様書・構造計算書などが必要になるため、専門業者と協力して進めます。


STEP4:審査・許可

構造・景観・安全性を総合的に審査されます。
問題がなければ許可が下り、施工に進めます。


STEP5:施工(登録業者による工事が必須)

屋外広告物の施工は登録された専門業者しか行えません。
無登録業者による施工は違反扱いです。


STEP6:設置後の点検・維持管理

LEDビジョンは設置後も定期点検が求められます。

  • 外装の劣化
  • 固定金具のゆるみ
  • 電源系統のチェック
  • LEDパネルの不点灯・異常発熱

これらを定期的に確認し、報告する必要があります。


◆ 4. LEDビジョン設置で起こりやすいトラブル

札幌市でよく見られる例を紹介します。

① 明るさが周囲と合わず、近隣トラブルに発展

住宅地周辺では特に苦情が入る事例があります。

② 構造計算が不十分で設置がやり直し

耐風圧・耐震の基準が厳しいため、素人判断で進めると後戻りになります。

③ 無許可設置で行政指導・撤去命令

LEDビジョンは目立つため、無許可はすぐに発覚します。

④ 表示内容が条例に抵触

刺激的な光、点滅、性的・差別的な表現はNG。


◆ 5. トラブルを避けるためのポイント

  • 設置前に市の担当部署へ事前相談する
    審査前に方向性を確認できるため安全。
  • 景観に配慮したデザインを採用
    地域の雰囲気に合った色味・明るさに調整。
  • 自動調光機能を必ず搭載する
    夜間の光害防止は重要。
  • 信頼できる広告業登録業者に施工を依頼
    安全基準を満たしやすい。
  • ライフサイクルコストを見積もる
    設置だけでなく、維持管理・撤去費用も考慮。

◆ 6. まとめ

札幌市でLEDビジョンを設置するには、

  • 地域区分
  • 景観基準
  • 明るさや点滅の制限
  • 構造安全性
  • 許可申請
  • 点検義務
    といった多くの要素をクリアする必要があります。

正しい手順を踏み、法令に沿って運用すれば、集客効果は非常に高く、街の魅力を高める広告ツールとして大きなメリットがあります。

お問い合わせはこちらから。

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